循環器内科
トップページ病院のご案内診療科のご紹介循環器内科MitraClip-経皮的僧帽弁接合不全修復術-
僧帽弁閉鎖不全症へのカテーテル治療

重症な僧帽弁閉鎖不全症の治療法として、MitraClipを用いた『経皮的僧帽弁接合不全修復術』が新たな選択肢に加わりました。

MitraClipⓇ

徳島赤十字病院は9月13日、四国で初めてMitraClip を用いた経皮的僧帽弁接合不全修復術の治療を行いました。本治療は2018年4月に保険適用となり、当院は9月より実施施設に認定されています。
認定施設は全国で22施設、中四国は当院と倉敷中央病院のみであり、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)に並ぶ厳しい基準をクリアした施設だけがこの治療を行うことができます。

<適応> 重症な僧帽弁閉鎖不全症(機能性,器質性いずれも)
年齢や併存症のため,手術が困難と思われている患者さん
具体的には、
  • (1)左室駆出率30%以上
  • (2)十分な心不全治療に関わらず有症候性である
  • (3)原発性及び二次性重症MR(3~4度)
  • (4)外科的開心術が困難
他、解剖学的にMitraClipに適した僧帽弁の形態が必要

僧帽弁閉鎖不全症(MR)とは

心臓には4つの弁がありますが(左側:僧帽弁 大動脈弁、右側:三尖弁 肺動脈弁)、そのなかで「僧帽弁」は左心房と左心室の間にあり、左心室から全身に送り出される血液が、左心房に逆流しないように心臓の動きに合わせて開閉しています。
僧帽弁閉鎖不全症とは、その僧帽弁がうまく閉じなくなり、血液が左心室から左心房に逆流してしまう進行性の心臓病(弁膜症の一種)です。

僧帽弁閉鎖不全症(MR)

経皮的僧帽弁接合不全修復術とは

現在の僧帽弁閉鎖不全症治療の選択肢としては薬物治療と外科手術がありますが、薬物療法はあくまで対症療法であること、そして外科手術は左室機能低下、複数の併存疾患、高齢等の理由によってリスクが高くなり、有効な治療方法が他にありませんでした。今回の治療方法では開胸したり心臓を止めたりすることなく、カテーテルを用いて実施するため、体への負担が少ないのが特徴です。高齢で体力が低下している、その他疾患などのリスクがあるといった理由で手術ができなかった患者さまに対する、新しい治療の選択肢となります。

僧帽弁閉鎖不全症(MR)
副院長格第二循環器内科部長 細川 忍
副院長格第二循環器内科部長 細川 忍
MitraClipはV字型のクリップで弁の両尖の自由縁を挟み込み外科手術の一法を実現します。経食道エコーをガイドに何度でもやり直すことができるため、僧帽弁閉鎖不全症の状態や僧帽弁狭窄症の有無、全身の血行動態をモニタリングしながら最適な位置を決定することができます。複数個の使用も可能で最大3個まで使用可能です。
外科治療や内科治療も含めた治療適応は、患者背景や僧帽弁の形態のみならず、左室機能、虚血の有無、右心系の評価など多くの要素を考慮し、多職種からなるハートチームで検討を行います。手術リスクの高い方にとって、僧帽弁閉鎖不全症治療の選択肢の一つになれば幸いです。