病理診断科

病理診断科

病理診断科標榜までのあゆみ

 当院の病理診断は、伊井邦雄医師に始まり、藤井義幸部長(病理専門医)、坂東和恵技師が長年業務を担当してこられた。

1996年 藤井義幸部長が病理専門医研修指導医。中西一世技師が細胞検査士となる。
1999年 病理部が検査部から独立。
2000年 藤井義幸部長が細胞診専門医。
2001年 米国臨床病理学会CAP認定を日本の病院で初めて取得。
2004年 剖検数が年60例以上に増加。
2005年 山下理子医師着任。自動免疫染色装置導入。
2006年 新病院移転、診断システム導入。山下医師が病理専門医。
2007年 小野晃代細胞検査士。山下医師が検査部へ。初期研修医病理部研修を開始。
2008年 山下医師が検査専門医。
2010年 畠山学係長が細胞検査士。
2011年 山下医師が細胞診専門医。
2012年 松田優子細胞検査士が病理部へ。
2013年 米崎真琴さんが医師事務支援で配属。CPCライブラリ―開始。
2014年 病理診断科標榜開始:病理診断が医療行為となり、診療科として病理医による細胞診材料採取や患者説明などができる可能性が広がった。

 このように、病理診断科は年々発展を続けており、当院で初期・後期臨床研修を行えば病理、細胞、検査のすべての専門医を取得できる恵まれた環境が整っています。初期研修医、後期研修医や臨床医が頻繁に出入りしています。

  学生、初期研修医のみなさん、まずは見学においでください。

スタッフの紹介

徳島赤十字病院(病理関係)日本病理学会認定病院A・日本臨床細胞学会認定施設
医師 藤井義幸 病理専門医、細胞診専門医
医師 山下理子 臨床検査専門医、細胞診専門医、病理専門医
臨床検査技師 畠山 学 細胞検査士(JSC)
臨床検査技師 中西一世 細胞検査士(JSC)、国際細胞検査士(IAC)
臨床検査技師 小野晃代 細胞検査士(JSC)、国際細胞検査士(IAC)
臨床検査技師 松田優子 細胞検査士(JSC)、国際細胞検査士(IAC)
医師事務支援 米崎真琴

業務内容

病理組織診断

 「顕微鏡の前に座ればピタリと当たる」とお考えでしょうが、正確且つ適切な診断には、正確な臨床経過・手術所見・検査データ等が不可欠であり、適切な切り出し・ブロック作製・均一な薄切・良質の染色が必要です。これらが整ってはじめて病理医の診断が可能となります。

  そのためには臨床医との密な連携、技師の方々との協調、技術のたえまぬ向上が不可欠であります。

  多くの症例は、3日目に報告書を提出していますが、免疫染色が必要な症例や診断の困難な症例は少し時間がかかり、中間報告後に報告書を提出するように心がけています。 診断困難症例は大学をはじめ専門病理医へコンサルテーションをし、報告書を臨床医に再提出しています。

細胞診断

 細胞診とはジグソーパズルのようなものであり、患者さんから得られた尿や喀痰などの検体から作製した標本内の全ての細胞の情報や、臨床的なデータを集めて良性・悪性の判定をしたり、もとの組織像を推定する検査方法です。現在、放射線科など他科との連携、現場での細胞診処理業務なども増加しています。また画像を添付した診断報告や平成20年11月からは婦人科細胞診検査の院内実施もするようになりました。

迅速病理診断

 手術中に採取された組織の一部を凍結・薄切し、短時間で診断する方法です。迅速診断は、急速に冷凍するため組織が挫滅しており、診断が難しい場合があり暫定診断と考えられています。迅速病理診断は主として

  1. 診断の確定により、予定されていた術式の変更の可能性がある場合
  2. 切除が十分に行われたかの確認
  3. 診断のために十分な適切な組織が採取されているかの確認など

のために行われ、又

  1. 凍結切片組織診断・術中に行われる吸引細胞診や捺印細胞診
  2. 凍結切片を作製しなくても診断可能な肉眼診断
  3. 病理医が手術室に入室してオリエンテーションしたり、外科医に助言すること

などが含まれています。

  多くは手術中の診断ですから、速やかな診断が要求され、材料が病理室に運ばれてから20分以内の報告(現在平均12~13分)を目標にしています。中には腫瘍の断端など多くの材料が一度に運ばれ、1時間以上スタッフ全員がてんてこ舞いになることもあります。

病理解剖

 病理医2人で24時間体制の病理解剖を行なっており、徳島県の病院では最多です。病理解剖は、医療の質を高める非常に重要な仕事の一つです。ご遺体を解剖させていただいた症例は、月に一度の臨床病理検討会(CPC)で多くの医師や研修医と共に、解剖結果と比較しながら、臨床経過、診断、治療法、治療効果などを検証します。われわれはその検証により反省したり、勇気付けられたりしながら、医療の向上に役立たせています。地域医療にも貢献しています。現在までのCPCのスライドは電子カルテ端末desknet's情報共有サイトで閲覧でき、病院の知的財産となっています。

  • CPC(毎月第2、木)
臨床病理検討会(CPC)の様子

院内キャンサーボードへの参加

 キャンサーボードとは、手術、放射線療法および化学療法に携わる専門的な知識および技能を有する医師、その他の専門を異にする医師などによるがん患者の症状、状態および治療方針などを意見交換・共有・検討・確認などするためのカンファレンスとされています。

  当院も県の癌拠点病院であり、院内キャンサーボードに積極的に出席しています。また下記カンファレンスにも病理医が出席しています。今後もこれらの話し合いを通じて積極的に臨床、病理の良好な関係を築いていきたいと考えています。

  • 化学療法キャンサーボード(毎週水)
  • 外科カンファレンス(毎週月、木)
  • 消化器内視鏡カンファレンス(毎月第4、水)

取り扱い件数

  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
組織検査数 4270 4302 4996 5001 4230 4406 4716 4663 4831 4704 4968 4993 5109
迅速診断数 234 231 138 179 253 242 278 279 236 305 317 316 314
病理解剖数 59 59 49 35 53 44 37 41 51 31 31 37 28
細胞診検査数* 1255 1203 1047 867 844 1151 2381 2284 2274 2363 2709 2787 2506
※外注分を除く

終わりに

 近年、癌のオーダーメイド治療時代に突入し、病理診断科の重要性がますます増しています。正確・迅速で適切な病理診断を行えるよう、よりよい標本作製、診断能力の向上はもちろんですが、臨床科や検査部をはじめとする各部門とのコミュニケーションを密にしていきたいと考えています。尚、当院に患者様を紹介される場合、組織標本・細胞診標本を持参していただければ、より的確な診断・治療に役立てることができます。

関連リンク

後期研修医募集要項