医療技術部

臨床工学技術課

臨床工学技士は、医療機器の専門医療職で、病院内では医師・看護師や各種の医療技術者とチームを組んで生命維持装置の操作などを担当しています。また、医療機器がいつでも安心して使用できるように保守・点検を行っており、安全性確保と有効性維持に貢献しています。

現在、当課では15名の臨床工学技士が業務を行い、24時間オンコール体制で夜間救急や休日の緊急呼び出しに対応しています。高度化する医療機器を安全に使用するため、研修会などに積極的に参加することで知識の向上に努め、定期的に新任医師や看護師を対象とした機器操作の講習を行っています。

私たち臨床工学技士の業務は多岐に亘ります。そのため、毎朝始業前にカンファレンスを行い情報の共有・統一化をはかっています。

2015年度業務実績(PDF)

業務内容

血液浄化業務

当院透析室は36台の透析用監視装置を所有し、月・水・金(2クール)、火・木・土(1クール)で血液透析(HD)を行っています。また、周術期のHDや持続的血液濾過透析(CHDF)、各種血液浄化療法に6名の臨床工学技士が携わっています。2009年からの取り組みとして臨床研修医(1~2年目)の透析実習指導も行っています。

  • HD(慢性,急性)
  • HDF(オンラインを含む)
  • CHDF
  • プラズマフェレーシス(PE,PA,DFPPなど)
  • LCAP,GCAP
  • エンドトキシン吸着
  • 末梢血幹細胞採取(PBSCH)
  • ドナーリンパ球輸注療法
  • CART(腹水濾過濃縮再静注法)

手術室業務

手術室は月曜日から木曜日までの週4日、開心術での人工心肺装置の操作を行っています。また、自己血回収装置やペースメーカーの操作、MEP(運動誘発電位)の測定等、各種業務に9名の臨床工学技士が携わっています。緊急手術には、24時間365日対応できる体制を整えています。

また、徳島赤十字病院は2014年10月に四国で初めてTAVI実施のための施設認定を取得しました。TAVI(経カテーテル大動脈弁治療=Transcatheter Aortic Valve Implantation)とは、大動脈弁狭窄症に対する新しい治療法です。カテーテル(血管の中を通す細長い管)を使って人工弁を留置するので、胸を開いたり心臓を止めたりする必要がなく、体への負担が少ないのが特徴です。これまで手術をあきらめていた方に対する、新しい治療の選択肢となります。臨床工学技士はハートチームの一員として、TAVI治療でも活躍しています。

役割
  • 体外循環、補助循環のスタンバイ
    人工心肺装置の準備、PCPS、IABPなど
  • PCIのスタンバイ
    IVUSやPCIに必要なデバイスの準備
  • TAVI治療の補助
    Rapid PacingやDCの実施
    清潔野での介助、クリンピングなど
  • 人工心肺装置
  • 自己血回収装置
  • 心筋保護冷却装置
  • TAVI
  • ペースメーカー
  • ICD,CRTD/P,ILR
  • MEP(運動誘発電位)
  • 術中透析

心臓カテーテル業務

カテーテル室では、ポリグラフによるモニタリングやIVUSをはじめ各種デバイス(FFR,ポリグラフ,ロータブレーター)の操作を行い、カテーテル治療がより正確に安全に施行できるよう、循環器内科医師のサポートを行っています。また、患者様の急変時にはPCPS、IABPなどの補助循環が必要となる事もあるため、医師の要求に迅速に対応できるよう、日々精進しています。

カテーテルアブレーション業務では、心房細動を主とした頻脈性不整脈に対する高周波カテーテルアブレーション治療において必要となる各種装置(CARTO3、高周波ジェネレータ、スティミュレータ、Cardio Lab等)のセッティング及び使用物品の準備、さらに治療の際には医師の指示の下で各種装置の操作を行い、不整脈の診断・治療に携わっています。

  • ポリグラフ
  • IVUS
  • OCT
  • FFR
  • ロータブレーター
  • ステントグラフト内挿術(胸部,腹部)
  • ASO閉鎖術
  • PTAV
  • アブレーション
    • CARTO3(三次元画像システム)
    • 高周波ジェネレータ
    • スティミュレータ(心臓刺激装置)
    • Cardio Lab(電気生理学的検査システム)

ICU業務

ICUにはたくさんの医療機器がありますが、その中でも特に人工呼吸器、補助循環装置(PCPS,IABP)の保守管理業務を行っています。人工呼吸器は成人から新生児まで24時間対応できるように保守管理業務を行い、補助循環装置の操作・保守管理は24時間オンコール体制で対応しています。

  • 人工呼吸器
    • 成人用(20台)
    • 小児用(5台)
    • NPPV(3台)
  • 補助循環装置
    • PCPS(2台)
    • IABP(4台)

ペースメーカー業務

ペースメーカー業務では、ペースメーカー・ICD・CRTD/P・ILR等の植え込み手術における各種デバイスのプログラミング及び各種データ測定と植え込み後患者様へのフォローアップを定期的に行っています。フォローアップにおいては患者様毎の生活レベルや状態に合わせた設定を行うことで、ペースメーカー移植後の生活を安心して送って頂けるよう心がけています。

  • ペースメーカー(新規、交換)
  • ICD(新規、交換)
  • CRTD/P(新規、交換)
  • ペースメーカー,ICD,CRTD/P,ILR外来チェック

ME機器管理業務

院内にある一部の輸液ポンプ・シリンジポンプ・経腸栄養ポンプ計128台は医療機器管理システムを用いて中央管理しており、昨年からは病棟管理の輸液・シリンジポンプのラウンドも開始されました。また、高規格救急車の車載機器点検や、院内にある医療機器の保守点検及び一次修理(MEホットコール)も年間260件程行っています。2014年からは院内のバックバルブマスクの組み立て・点検も開始され、院内での臨床工学技士の需要が高まり、業務は広がっています。

また、徳島赤十字病院は4月1日より、ドクターカーの本格運用を開始しています。ドクターカーは救命に必要な器具・薬品を搭載した救急車に医師・看護師・救急救命士などが同乗し、消防本部からの要請により出動して医療行為を行うものです。当院ではかねてより医療機関から要請による病院間の患者搬送にドクターカーを使用してきましたが、4月からは新たに救急医を迎え、救急現場へと出動する本格的な運用を始めました。それに伴い、モービルICUの点検、ドクターカーの点検も日々行っています。

  • 中央管理
    • 輸液ポンプ(79台)
    • シリンジポンプ(45台)
    • 経腸栄養ポンプ(7台)
  • 保育器(9台)
  • モービルICU(1台)、ドクターカー点検(1台)
  • MEホットコール対応

院内研修

毎年、新任医師や看護師を対象とした機器操作の講習として、輸液・シリンジポンプの操作研修会を行っています。実機を使用しポンプの構造や特性、使用方法を学び医療事故防止に努めています。